媚薬の歴史を紐解く

媚薬とは主に女性用の精力剤のことを言い、女性の性的神経に作用し、性的興奮を高める効果があるとされています。現在では粉末、錠剤、液体などの様々な形態、また日本製、海外製など生産国を様々にした媚薬が販売されており、インターネット、店頭などで簡単に購入することが可能になっています。
その媚薬ですが、歴史は昔に遡り、古くは惚れ薬と呼ばれ、魔女の秘薬とされていました。ワイン、特定のハーブなどが原料とされ、相手に恋愛感情を起こさせるために幅広く使用された歴史があります。古代より媚薬は世界中で製造され、恋愛感情を喚起させるために使用されてきました。しかし、あらゆる魔術、占星術、薬草学などを威圧した初期キリスト教会の指導者たちは当然に媚薬も問題視し、12世紀にはヨーロッパのほぼ全土において惚れ薬の使用、または製造が禁止され、投獄、拷問、死刑など、使用者や製造者には厳しい罪が科せられました。それでも惚れ薬の使用、製造は影で密かに行われ、現代まで続く媚薬の歴史となりました。
その惚れ薬の人気が最高潮に達したのは中世であり、製造法を記した書物や魔術の指南書などが数多く流通しました。その惚れ薬の原材料には現在ではおよそ考えられない材料も使用されており、なかには動物の死骸の一部、動物の血液、人間の血液なども、惚れ薬には含有されてきた歴史があります。イギリスの古い魔術書には自身の小指の血液を3滴飲ませれば、相手はたちまち恋に落ち、他の人に目を向けなくなる、といった記述、またとある詩人は、黒猫の肝臓を粉末状にしたものをブラックティーに混ぜ、黒いティーポットで煎じることにより強力な媚薬が完成すると信じていた、という記述も書物には残されており、中世においての媚薬の人気が相当に窺える内容となっています。